◆土砂降りの中、私たち家族は・・・◆
こんにちは、いつも大変お世話になっております。株式会社コーユー代表の田原裕司です。
ゆうさん通信第2号をお送りいたします。よろしくお願いいたします。
さて、梅雨の時期になると思い出すことがあります。
それは、私が子どもの頃、一度だけ連れて行ってもらった家族旅行のことです。
今から54年前、私が産まれて間もなく、父はコーユーを創業。建設業の会社を興しました。
当時は、今と違って休みという休みはほとんどなく、晴れていれば日曜祝日関係なく仕事をしていました。
もちろんそれは、家族、それから社員を養っていくためだったと思います。
そんな状態ですから、私は子どもの頃、父親にどこか連れて行ってもらった記憶がほとんどありません。
友達が(当時の)大阪万博に連れて行ってもらったなどと言っている中、
我が家は時間的にもお金的にもそんな余裕はありませんでした。
ただ、私が「友達がどこに行った」という話をしていたのでしょう。
父親もどこかに連れて行ってやらないとという気持ちがあったのだと思います。
ただ、晴れた日は仕事。結果、土砂降りの雨の日に、家族旅行をすることになりました。
突然、「旅行に行くぞ」と言われ、当時、まだ妹が産まれる前、私が小学校に上がった頃だったと思います。
家族4人、土砂降りの中、出かけることになりました。
行き先は、島根県内の温泉。私の記憶の限りでは初めての家族旅行でした。
私
は正直、嬉しくありませんでした。外は土砂降り。近場の温泉。
今でも記憶に残っていますが、土砂降りの中、露天風呂にも入り、なんでこんな雨の中で・・・と、
子どもながらにみじめに思ったことを、今でも鮮明に覚えています。
以後、家族旅行はありませんでした。
それでも、私が大人になって父になり、そして、最近になってようやく、あのときの父の気持ちが
わかるようになってきました。
父は父なりに、仕事を頑張らなきゃいけない中、子どもに何か思い出を作ってやらなきゃという
気持ちがあったのだと思います。
仕事が大変な中で父が作ってくれたこの思い出は、華やかでも何でもありませんが、私のひとつの宝物になっています。